21世紀学会ビジョン実現のための研究分科会活動の第1期公募報告
 日本都市計画学会は、21世紀ビジョンにおいて、「社会的発言・提言・発信機能の強化」「社会的連携の推進」「人材育成・教育と職能の拡充」「会員サービスと学会運営の充実」の4点の重点的取り組みを挙げました。これらの重点的取り組みについて、すぐにでも開始すべき、また短期間のうちに開始できる取り組みとして10の具体的方策が挙げられましたが、そのうち、主に「共同研究・連携体制づくりを推進」「多くの会員が参加、研究、活動できる場を提供」の2つの実現を図って、研究テーマ及び研究分科会の公募を行いました。その結果5件の応募があり、21世紀ビジョン実現特別委員会にて検討し、理事会にて下記4研究分科会が採択されました。


21世紀都市の知的創発拠点形成研究分科会

代表:小林英嗣
変動する社会に対応できるタウン(都市・地域)とガウン(大学)の新たな熔融関係の必要性をソフト・ハードの両面から把握するとともに、21世紀における大学と都市・地域の協働・連携・相補で構築される知的創発拠点の協創プロセスと地域再生・創成の新たな構築方策を明らかにする。

都市計画学会地震災害復興調査活動指針(案)作成分科会

代表:池田浩敬
都市計画学会として、被災を受けた都市の復興やまちづくりに関する調査はどのようにあるべきか、復興に関する様々な事例をどのように蓄積し、社会に還元していくべきかを考え、その方針と実施方法を具体化した「都市計画学会地震災害復興調査活動指針(案)」を作成する。

都市計画教育と都市計画に関わる人材育成に関する調査研究

代表:鳴海邦碩
都市計画・まちづくりに関与する大学、行政、民間企業における学会会員を対象とし、教育機関においては教育分野の変化や学生の就職先などの実態を、行政や民間企業においては、業務分野の変化や人材確保の方法の実態などをそれぞれ把握する。今後の職能の拡充や人材育成の方向を明らかにするとともに、学会と行政、企業や市民組織などとの社会的連携の推進を図り、学会の社会的発言機能の強化につなげることを目的とする。

計画制度研究分科会

代表:小泉秀樹
本分科会では、都市計画制度について特に意思決定手続きに着目して問題点を洗い出し、制度を再構築する方向性や、当面自治体や市民が行い得る対策を明らかにすることを目的とする。まちづくりの現場では、都市計画関連制度が十分でないことや、自治体の運用体制が不十分なために、市民の活動成果や意向を十分に反映できていない場合がある。また、市街地の改変にともない紛争が多発している実態もある。こうした問題に対処するために、都市計画および関連する諸制度をどのように改革することが必要であるのか、制度改正に到達するまでの過程においてどのような試行的実践や研究が必要とされているのか、また提案権制度、景観法など近年の法改正やまちづくり条例などの活用などにより、当面の対策として何が可能であるのか、といった一群の問いに答えることを目指して、研究を進めたい。
今後上記分科会は、その活動報告を本会論文発表会ワークショップや機関誌「都市計画」の場で行ないます。